「学会」って何をするの?
今回は、皆様から寄せられた医師に対するギモンにお答えする企画の第3弾です。
テーマは「学会」についてです。
病院では「先週末、学会に行ってきた」という会話がよくあります。医師の学会ではどんな事をしているのか疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
春は学会の季節
毎年4月は学会シーズンです。
今年は5~7日に呼吸器学会総会、12~14日に内科学会総会があり、僕は両方とも参加しました。
このように各学会では1年に1回、全国各地で「学会総会」が開催されます。
ちなみに、2024年の呼吸器学会総会は横浜、内科学会総会は東京で開催されました。
「学会総会」と「地方会」
「学会総会」以外にも、年に2回「地方会」と呼ばれる学会も開催されます。例えば内科学会であれば中国地方会といった地区単位で開催される、“やや小規模な学会”です。
初期研修医などの若手医師が発表をおこなうのが「地方会」、そして中堅~ベテランの医師が発表をおこなうのが「学会総会」というイメージです。
学会では自ら発表をおこなったり、著名な医師の発表を聴いたりします。学会に参加することで、自らの知識をブラッシュアップすることができ、また自分自身の医療に対するモチベーションアップにもつながります。
研修医の学会発表の指導
広島大学病院時代は初期研修医の先生方の学会発表を指導する機会も多く、自分で発表する場合とは違った“教えることの難しさ”を感じることもありました。
学会発表の準備はかなり大変なので、発表する研修医の先生とは密にコミュニケーションをとる必要があります。そのため、発表準備を通して指導医や呼吸器内科に親しみを感じ、その後呼吸器内科に入局してくれるケースも多かったです。つまり、学会発表は学会発表の練習という本来の目的だけでなく、“呼吸器内科への勧誘”という側面も少しだけあるのです。
コロナ禍で失った学会の魅力
学会の魅力のひとつが全国各地で開催されることです。そのため、学会参加後の空いた時間に観光地を訪れたり、なかなか会えない旧友と食事をすることもできます。
しかし、その学会の魅力が新型コロナウイルスで打ち壊されてしまいました。
そうです、「現地開催」ではなく、「オンライン開催」になってしまったのです。
ただオンラインにはオンラインの良さがあり、気軽に参加できる・旅費がかからない・発表スライドが見やすいなど多くのメリットもあります。
増えてきた「ハイブリッド開催」
新型コロナもある程度落ち着いてきた最近は、「ハイブリッド開催」という現地参加もオンライン参加も可能な開催方式が増えており、それぞれの希望に応じて参加方法を選べて非常に便利です。おそらく、数年後には従来通りの現地開催のみの開催形式になるのではないかと個人的には予想しています。
基本的に学会は週末にかけておこなわれることが多いため、学会参加の際は診療をお休みさせていただく場合があるかもしれません。患者様にはご不便をおかけして申し訳ありませんが、その分学会で得た知識を日々の診療で還元していきたいと思っております。
最後になりますが、4月は多くの患者様に受診していただき、誠にありがとうございました。引き続き、小さなお子様からご年配の方まで皆様に安心して受診していただけるクリニックを目指し、全力投球で頑張ります!
今後とも『西条すこやか内科』を宜しくお願いいたします。
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長引く咳・息切れ・喘息などでお悩みの方は、東広島市西条町助実の呼吸器専門クリニック『西条すこやか内科』までお気軽にご相談ください。
西条すこやか内科
院長 奥本 穣(呼吸器専門医・総合内科専門医)