内科
高血圧
高血圧の9割は原因がはっきりしない「本態性高血圧」です(いわゆる多くの方がイメージする高血圧のことです)。遺伝的な体質・塩分の摂りすぎ・肥満・運動不足・喫煙などが原因となり発症します。
一方で、残りの1割は「二次性高血圧」という原因が特定できる高血圧とされています。その原因の1つが睡眠時無呼吸症候群です。私の経験でも睡眠時無呼吸症候群の治療をおこなうことで、降圧薬を飲むことなく血圧が正常値まで改善した方がおられます。また原発性アルドステロン症という病気が原因で高血圧となるケースも時折みられます。
当院では、ただ降圧薬を処方するだけでなく、“治せる高血圧”である「二次性高血圧」の可能性を常に念頭に置いた高血圧診療を心掛けております。
糖尿病
糖尿病は血糖値を下げる働きをもつインスリンの分泌量が低下したり、働きが悪くなることで発症します。糖尿病の9割以上を占めるのが、不規則な食生活・運動不足・喫煙などの生活習慣の乱れによって起こる「2型糖尿病」です。のどの渇き・多飲多尿などの症状が出る場合もありますが、多くは自覚症状がありません。長期間血糖値が高い状態が続くと、神経・目・腎臓にも合併症を起こすことがわかっていますので、早期診断・早期治療が望ましいです。
糖尿病の診療ではHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)という過去1~2ヶ月の血糖値を反映する数値を血糖コントロールの指標とすることが多いです。当院は、HbA1cの測定を院内でおこないますので、検査当日に検査結果をお伝えすることが可能です。
脂質異常症(高脂血症)
脂質異常症とは、“悪玉”のLDLコレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)が基準値より多い場合、“善玉”のHDLコレステロールが基準値より少ない場合のことを指します。遺伝的な体質・食生活・運動不足・肥満などが発症に関係しています。多くが無症状であり、健診などで数値の異常を指摘され来院するケースが大半です。脂質異常症を放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞・脳出血など命にかかわる大きな病気につながる可能性がありますので、早期治療が望ましいです。
高尿酸血症(痛風)
尿酸値が7mg/dl以上を高尿酸血症といいます。圧倒的に男性に多い病気です(男女比は20:1)。特に30~50代の男性に発症しやすいとされています。肥満・アルコールの飲みすぎ(特にビール)・プリン体の摂りすぎ(レバー・カツオ・魚卵などに多く含まれています)・遺伝的な体質などが原因です。高尿酸血症を放置すると、痛風や尿路結石症を起こしたり、腎機能の悪化にもつながるため早期治療が望ましいです。治療としては、生活習慣の改善とともに必要であれば薬剤も併用します。
帯状疱疹
帯状疱疹は、幼児期に感染した水ぼうそうのウイルスが原因で発症する皮膚の病気です。水ぼうそうが治った後も体内に長期間潜伏していたウイルスが、加齢などによる免疫力の低下で再活性化してしまうことで発症します。そのため50歳以上から増加し、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を発症するとも言われています。
最初は皮膚がピリピリと刺すような痛みを感じ、その後水ぶくれと赤い発疹が帯状に出現します。帯状疱疹は抗ウイルス薬で治療をおこない、1週間程度で症状は落ち着いてきます。
しかし、帯状疱疹の大きな問題は、帯状疱疹を起こした2割がその後も3ヶ月以上痛みが続くことです(帯状疱疹後神経痛)。そこで、現在は帯状疱疹の発症率が上がる50歳以上の方に対して帯状疱疹ワクチンの接種が勧められています。