呼吸器内科

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COPD(肺気腫)ー タバコが原因の“肺の生活習慣病“ ー

COPDはタバコが原因の“肺の生活習慣病”です。40歳以上の約1割がCOPDと言われますが、多くは未治療のままです。坂道での息切れや長引く咳・痰を“年齢のせい”にしていませんか?ただの年齢による体力の衰えと考えず、過去に喫煙歴がある方は、一度COPDを疑って検査してみることをお勧めします。

COPDとは?

COPDとは、これまで「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれていた病気を1つにまとめた病名で、正式名称は「慢性閉塞性肺疾患」といいます。慢性閉塞性肺疾患の英語表記であるChronic Obstructive Pulmonary Diseaseの頭文字をとって「COPD」といいます。COPDの原因のほとんどはタバコで、喫煙者の15~20%がCOPDを発症するとされています。

日本の40歳以上の約1割がCOPDと言われていますが、その多くはいまだにCOPDと診断されず、適切な治療も行われていないのが現状です。
世界的にもCOPDは増加しており、2019年の世界全体の死因では、虚血性心疾患(心筋梗塞)・脳卒中に次いで、COPDは死因の第3位でした。これらのデータが示すようにCOPDはとても身近で、かつ怖い病気なのです。

症状息切れや長引く咳・痰

COPDの症状は、坂道・階段での息切れや長引く咳・痰です。多くは40歳以上で発症し、60~70歳代と高齢になればなるほど症状が強くなっていきます。ただの年齢による体力の衰えと考えず、過去に喫煙歴がある方はいちどCOPDを疑って検査をしてみることをお勧めします。

そして特に注意が必要なのが、「COPDの増悪」です。ウイルスや細菌による感染をきっかけにして、息切れや咳・痰が一時的に急激に悪化することを「COPDの増悪」と呼びます。「COPDの増悪」を繰り返していると、肺の機能が低下し生存率も下がることが知られています。そのため、“いかに増悪しないよう普段からコントロールするか”が重要です。

検査・診断COPDは“肺”だけじゃなく、“全身”の病気

症状・喫煙歴・肺機能検査・胸部レントゲンなどの結果をみて、総合的にCOPDと診断します。
またCOPDの患者様は肺がんを合併しやすい(健康な方と比べ約10倍のリスク)と言われています。
当院では低線量CT(最大75%の被ばく低減効果)を完備しており、早期発見・早期治療を目指しCTでの肺がんチェックも積極的におこなっております。

さらに近年では「COPDは全身の病気」と言われ、心不全・骨粗鬆症・糖尿病・栄養障害・精神状態などにも影響を与えることがわかっています。COPDを“肺”の病気としてではなく、“全身”の病気として考え、併存症を含めた評価を積極的に行うことが重要です。

治療まずは禁煙、そして吸入治療。栄養療法も大切。

  • 治療方法①禁煙

    現在も喫煙中の患者様は、まずは禁煙が治療の基本となります(そのまま喫煙を続けると肺機能の落ちるスピードが速くなってしまいます)。当院では禁煙外来をおこなっておりますので、「禁煙してみようかな」という方はお気軽にご相談ください。

    当院では、“呼吸器専門医が禁煙指導を行うことの意味”が大きいと考え、禁煙外来に力を入れております。日本禁煙学会認定の禁煙専門指導医でもある院長が全力で禁煙をサポートさせていただきます。禁煙に遅すぎるはありません!一緒に禁煙を頑張ってみませんか?

    禁煙外来について
  • 治療方法②気管支拡張薬

    薬物療法では、気管支拡張薬の吸入が中心となります。気管支を拡げることで、呼吸を楽にしてくれる作用があります(残念ながら、壊れた肺を元通りにすることは出来ません)。現在、様々な種類のデバイス(吸入器具)が発売されており、デバイスごとに吸入の仕方や1日の吸入回数なども異なります。

    当院では、患者様の状態・生活習慣・ご希望に合わせて、患者様ひとりひとりにとって適切な選択を行えるよう努めております。

  • 治療方法③栄養療法

    COPDを何年も放置していると食欲が落ちて、体重が減少してくることがあります。つまり低栄養状態になってしまうのです。低栄養で困ることの1つが全身の筋力低下です。なかでも特に困るのが「呼吸筋力の低下」です。もともと呼吸機能が良くないCOPDの方の呼吸筋力が低下すると、これまで以上に少し動くだけで息切れするようになってしまいます。最終的には食事をするだけでも息切れするようになるため食欲がさらに落ち、さらなる筋力低下を起こしてしまいます。こういった悪循環に陥らないようにすることが重要です。

    近年の研究で、COPDの患者様に対し漢方薬を併用することで栄養状態が改善し免疫力も上がることがわかってきており、当院では漢方薬も積極的に併用するようにしています。

  • 治療方法④各種ワクチンの接種

    気道感染によるCOPDの増悪を防ぐため、当院では感染予防目的でのインフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチン・新型コロナワクチン・RSウイルスワクチンの接種をお勧めしております。

    各種予防接種について
  • 治療方法⑤在宅酸素療法

    COPDは在宅酸素療法を導入する原因疾患の第1位です。低酸素血症が進行してしまった場合は、在宅酸素療法を導入します。その場合、下記の身体障害者福祉制度の利用も検討します。

身体障害者福祉制度をご存じですか?

私は身体障害者福祉法に基づく呼吸機能障害の指定医です。身体障害者福祉法では、一定の基準を満たせば身体障害者手帳の交付を受けられ、色々な福祉サービスを利用することが可能となります。気になる方は、まずは当院へお気軽にご相談ください。

詳しくはこちらの 東広島市「身体障害者手帳の交付について」 ページもご覧ください。

西条すこやか内科から皆様へ

坂道・階段での息切れや長引く咳・痰を“年齢のせい”にしていませんか?また、これまで楽しんでいた趣味やスポーツを息切れのため諦めたりしていませんか?
呼吸器内科の外来には、COPDの治療によって息苦しさで諦めていた趣味やスポーツを再開できた患者様が多くおられます。「こんなに息が楽になるなら、もっと早く病院に行けば良かった」と皆さんが言われます。近年ではCOPDは全身に影響を与えることがわかっていますので、早期診断・早期治療が非常に大切です。年齢による体力の衰えと考えず、過去に喫煙歴がある方は、いちどCOPDを疑って検査することをお勧めします。
当院は、呼吸器専門クリニックとして禁煙外来を含め患者様ひとりひとりに適切な治療法を提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。