呼吸器内科

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肺炎ー ワクチン接種や禁煙で予防できる ー

肺炎は2022年の報告で日本人の死因第5位の病気です。ありふれた病気ですが、ご高齢の方では命に関わることも多いです。ワクチン接種や禁煙で肺炎は予防可能ですので、まずは当院にご相談ください。

症状肺炎は日本人の死因第5位の怖い病気です

肺炎は細菌やウイルスの感染によって肺に起きる急性の炎症です。肺炎の主な症状は、発熱・咳・痰・呼吸困難・胸痛などです。2022年の報告では肺炎は日本人の死因の第5位で、肺炎で亡くなる方の9割以上は65歳以上のご高齢の方とされています。ご高齢の方は肺炎になっていても咳・痰などの呼吸器症状がほとんどなく、発熱や食欲低下のみであることもあるため、注意が必要です。

2022年の報告では肺炎は日本人の死因の第5位で、肺炎で亡くなる方の9割以上は65歳以上のご高齢の方とされています。

検査・診断

血液検査・胸部レントゲンなどで診断します。必要に応じて胸部CTも適宜提案させていただきます。当院では、血液検査・胸部レントゲン・胸部CTを完備しておりますので、すぐに検査・診断が可能です。また原因となる病原体を特定するため、痰の検査や尿検査をすることもあります。

治療

抗菌薬を用いた治療が基本となります。呼吸状態や全身状態が悪く入院が必要と思われる場合は、当院より速やかに近隣の総合病院へご紹介させていただきます。

肺炎は予防できます!ワクチン・風邪の予防・禁煙が大切です

  • 予防方法①ワクチン接種

    肺炎球菌ワクチン

    肺炎球菌ワクチンの接種が最も重要です!なぜなら、肺炎を起こす細菌は数多くありますが、その中でも肺炎球菌が原因として最も多く、重症の肺炎を引き起こしやすいからです。「肺炎球菌ワクチンを打つと絶対に肺炎にかからない」と勘違いされている方がおられますが、残念ながらそういうわけではありません。
    しかし、肺炎球菌ワクチンを打つことで8割ほどの肺炎球菌性肺炎を予防できます。また、仮に肺炎球菌性肺炎にかかったとしても、重症化を予防できるため、間違いなく接種することが望ましいです。

    なお、現在65歳の方に対して定期接種となっている23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)は接種から5年経過すると予防効果が大きく落ちることが分かっていますので、初回接種から5年以上経過した方には再度接種することを当院ではお勧めしております。

    インフルエンザワクチン
    インフルエンザにかかると肺炎を起こしやすくなることが分かっていますので、毎年流行前にインフルエンザワクチンを接種することもお勧めします。
    予防接種について
  • 予防方法②風邪の予防

    「風邪をこじらせると肺炎になる」という言葉をよく耳にしませんか?一般的に風邪はウイルスが原因で起こす病気ですが、ご高齢の方は風邪を引くと体力を消耗し免疫力が低下しますので、風邪に続いて肺炎を発症することがあります。そのため、うがい・手洗いなどの風邪予防は肺炎予防にもつながると考えられています。

    うがい・手洗い
  • 予防方法③禁煙

    たばこを吸っていると気道感染を起こしやすいことがわかっています。つまり、禁煙は肺炎予防にもなります。当院では禁煙外来もおこなっておりますので、お気軽にご相談ください。日本禁煙学会認定の禁煙専門指導医でもある院長が全力で禁煙をサポートさせていただきます。禁煙に遅すぎるはありません!一緒に禁煙を頑張ってみませんか?

    禁煙外来について

誤嚥性肺炎ー 誤嚥は寝ている時も起こします ー

誤嚥性肺炎はご高齢の方が何度も繰り返すことが多い病気です。誤嚥性肺炎を完全に予防することは難しいですが、色々な工夫で肺炎のリスクを減らすことは可能です。少しでもリスクを減らせるように一緒に頑張ってみませんか?

誤嚥性肺炎とは?

誤嚥性肺炎は、ご高齢・脳梗塞後・パーキンソン病の方に多い肺炎です。嚥下機能低下(飲み込む機能の低下)で、食べ物・唾液・胃液などと一緒に口の中の細菌が誤って気管に入ることで発症します。なかでも寝ている間の少量の唾液や胃液などが原因となる場合では、ご本人も自覚がないため、何度も繰り返すことが多いです。胃瘻が入っている患者様のご家族から「口から食べてないのに、なぜ誤嚥性肺炎を起こすのですか?」と尋ねられることがありますが、そういったケースでは大半が唾液や胃液の誤嚥が原因だと思われます。

誤嚥性肺炎の仕組み ①誤嚥力(飲み込む力)の低下によって食べ物や唾液などを誤嚥 ②誤嚥した食べ物や唾液などが気道を通って肺に入る ③食べ物や唾液に付着した口の中の細菌が肺で炎症を起こす

誤嚥性肺炎の予防少しでもリスクを減らせるように

一般的な肺炎予防(各種ワクチン接種・風邪の予防・禁煙)に加えて、誤嚥性肺炎の予防法として重要なポイントを以下にまとめました。誤嚥性肺炎を完全に予防することは困難ですが、できる範囲内で予防をするだけでも、きっと大きく違うはずです!

  • 予防方法①口腔ケア(歯磨き・舌磨き)

    口腔内の清潔が十分に保たれていない場合、口の中で肺炎の原因となる細菌が増殖してしまい、それを誤嚥することで誤嚥性肺炎を起こしてしまいます。普段の口腔ケアをしっかりとすることで、誤嚥性肺炎を予防できることが多くの研究で明らかになっています。具体的には、歯磨き(特に起床後と寝る前)と舌磨き(1日1回で十分です)が重要です。舌磨きは忘れがちだと思いますので、欠かさずやってみてください。

  • 予防方法②食事指導

    • 姿勢を整え、食べることに集中する
    • 食事前に水分を摂り、のどの通りを良くする
    • 少しずつよく噛んでゆっくり食べる
    • トロミをつける
  • 予防方法③内服薬のチェック

    これは主に医師がおこなうことですが、嚥下機能(飲み込む機能)に影響を及ぼす内服薬がないかどうかをチェックします。
    例えば、睡眠薬が効きすぎて、朝になっても眠気が残っている状態では非常に誤嚥のリスクが高いです。また、口腔内乾燥を引き起こす薬剤は比較的多く、口の中の乾燥が誤嚥の一因となっていることもあります。もちろん必要な薬は飲み続けなければいけませんが、あまり続ける必要性がない場合はいちど中止してみるのも手かもしれません。一緒に相談しながら決めていきましょう!

西条すこやか内科から皆様へ

私は、呼吸器専門医として肺炎の治療を長年行ってきました。肺炎は非常にありふれた病気ですが、日本人の死因第5位の怖い病気でもあります。そこで当院は肺炎の治療だけではなく、肺炎に出来るだけならないよう肺炎予防にも力を入れていきます。たしかに肺炎(特に誤嚥性肺炎)を完全に予防することは難しいですが、ワクチン接種・口腔ケア・食事指導など出来ることはきっとあるはずです!まずは一度当院にお気軽にご相談ください。