呼吸器内科ってどんな科?(後編)
今回も「呼吸器内科ってどんな科?(前編)」に引き続き呼吸器内科の特徴をお伝えしたいと思います。
専門的な検査や手技
2つ目の特徴は、『内科だけど専門的な検査や手技がある』という点です。呼吸器“内科“ですので、手術はおこないません。しかし、呼吸器内科には”気管支鏡検査“があります。
聞きなじみがない方が多いと思いますので、簡単に気管支鏡検査について説明します。気管支鏡検査は胃カメラと同じ要領で口からファイバーを挿入し、肺病変の組織を採取する検査で、主に肺がんを診断するときに行う検査です。また、気管支鏡を使って気管支内に誤嚥した義歯などの異物を摘出することも時々あります。
そしてもうひとつの代表的な手技が、気胸の患者様に対する胸腔ドレナージです。脇腹からチューブを挿入し、肺の外に漏れてしまった空気を抜く処置です。苦しんでいる患者様の空気を抜いた瞬間、あっという間に呼吸が楽になり安堵される様子をみると、こちらも嬉しくなります。
患者様と長く関わることが多い
3つ目の特徴は、『患者様と長く関わり合う科』という点です。
2人に1人が「がん」になるとも言われる時代です。そして、そのなかで最も死亡率が高いのが「肺がん」です。残念ながら手術が難しい状況で肺がんが発見されるケースも少なくありません。そういったケースではわれわれ呼吸器内科医の出番となります。
まず気管支鏡検査で肺がんと診断し、その上で抗がん剤治療などをおこないます。近年では様々な種類の薬剤が開発され、肺がんへの治療効果も良くなってきていますので、抗がん剤治療が何年も続くことも多いです(その間も入院や外来で呼吸器内科医がサポートし続けます)。その後、体力低下などで抗がん剤治療が難しくなった場合でも、呼吸器内科医が緩和ケアを引き続きおこないます。
「医師として責任をもって、ひとりひとりの患者様と最期まで向き合い続けたい」という想いが僕は強いので、呼吸器内科はそういった意味でも自分の理想とする医師像に近い診療科なのです。
呼吸器内科がどんな診療科か分かっていただけましたか?当院はクリニックですので、気管支鏡検査や点滴の抗がん剤治療をおこなうことは出来ません。そのぶん、これまでの経験を最大限生かし、幅広い内科の病気を誠心誠意診療していきます。そして、ひとりひとりの患者様に対し責任を持ち、向き合い続ける覚悟です。
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長引く咳・喘息・いびき・息切れなどでお悩みの方は、東広島市西条町助実の呼吸器専門クリニック『西条すこやか内科』までお気軽にご相談ください。
西条すこやか内科
院長 奥本 穣(呼吸器専門医・総合内科専門医)