秋は喘息の悪化にご注意ください
9月も後半に入りましたね。
まだまだ日中は暑いですが、夜は少し過ごしやすい季節となってきました。
この季節にご注意いただきたいのが“気管支喘息の悪化”です。
「喘息が最も悪化しやすい季節は秋」ということをご存じですか?
秋に喘息が悪化しやすい主な理由は以下の5つです。
- 気温の変化(寒暖差)
- 秋の花粉のサイズが小さい
- ハウスダスト(ダニの死骸や糞)の増加
- 空気が乾燥し気道感染を起こしやすい
- 夏は喘息症状が落ち着くことが多く、吸入を中断しやすい
① 気温の変化(寒暖差)
1日の中で喘息の症状が出やすいのは夜中~明け方です。なかでも秋は朝晩の冷え込みが強く、急激な気温の変化(寒暖差)が喘息を悪化させやすいです。
② 秋の花粉のサイズが小さい
秋の花粉の代表はブタクサ・ヨモギです。花粉といえば春の代表であるスギ・ヒノキを連想される方が多いと思いますが、秋の花粉もなかなか厄介です。その理由が、秋の花粉(ブタクサ・ヨモギ)は春の花粉に比べてサイズが小さいからです。花粉が小さいと気管支の中まで花粉が侵入しやすく喘息を悪化させやすいのです。
③ ハウスダスト(ダニの死骸や糞)の増加
ダニは梅雨の時期から夏にかけて一気に増えます。しかし秋になるとダニの多くは死んで、ダニの糞とともにハウスダストとなります。そのハウスダストを吸い込むことで、喘息が悪化してしまいます。
④ 空気が乾燥し気道感染を起こしやすい
湿度が下がり空気が乾燥すると、ウイルスによる気道感染を起こしやすくなります。気道感染を起こすと喘息が悪化しやすくなるため、「のど・鼻の加湿」は感染予防のためにとても重要です。
⑤ 夏は喘息症状が落ち着くことが多く、吸入を中断しやすい
春や秋と比べて、夏は喘息の症状が落ち着きやすい季節です。そのため、中には喘息の吸入を夏にやめてしまい秋に悪化してしまう患者様がおられます。喘息は“気道の慢性的な炎症”であり、無症状のときも常に気道は炎症を起こしています。そのため、症状がないときも吸入を欠かさないことが非常に大切です。
秋に喘息が悪化しやすい理由をお分かりいただけましたでしょうか?
定期的な掃除やマスク着用、うがい・手洗いなど無理のない範囲でおこなって、楽しい秋を過ごせるようにしましょう!
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西条すこやか内科
院長 奥本 穣(呼吸器専門医・総合内科専門医)