酔って吐いたら血が出た
今週末は待ちに待った「西条酒まつり」ですね。
そこで今回はお酒に関係がある「マロリーワイス症候群」という病気を取り上げようと思います。
先日の外来で、20代の男性が“吐くたびに吐物に血が混じる”という悩みで受診されました。
その方は、普段からアルコールを飲む機会が多く、最近は吐くまで飲むことが多いと言われていました。そして、この頃は吐くたびに血が混じると訴えられるのです。
その病歴から、真っ先に「マロリーワイス症候群」が頭に浮かびました。
酔った男性の嘔吐後の吐血
マロリーワイス症候群とは、激しい嘔吐によって食道に圧が加わり、食道と胃の境界部分の粘膜が裂けてしまい吐血する病気です。今回のように男性が飲酒後に嘔吐して発症するケースが多いですが、ときには妊娠悪阻(つわり)による嘔吐で発症される方もおられます。
自然に止血することが多い
出血は自然に止まるケースが大半ですが、ごく稀に大量出血でショック状態となる方もおられますので油断は禁物です。大きな病院の場合は吐血直後に救急受診される方が多く、緊急で胃カメラをおこなうこともあります。
しかし、クリニックの場合は今回のように出血が止まった後に受診されるケースが多いと思います。
まずはご相談ください
受診された際は、まずは病歴を詳しく確認し吐血した状況を把握します。経過からマロリーワイス症候群が強く疑われる場合は、必要に応じて胃薬などを処方し様子をみることが一般的です。もちろん飲酒後の嘔吐が原因のときは、吐くまで飲むことを控えていただきます。
胃カメラが必要なことも
ただし、なかには胃潰瘍や胃がんが疑われるケースもあり、その場合は胃カメラが必要です。当院では胃カメラはおこなっていませんので、その際は胃カメラのできる医療機関に早急にご紹介させていただきます。
「西条酒まつり」で日中から飲むお酒は最高ですが、くれぐれも飲みすぎには注意しましょう!
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東広島市西条町助実の内科・呼吸器内科・アレルギー科の『西条すこやか内科』は、“酒は飲んでも飲まれるな”を胸に刻む院長が診療しています!
西条すこやか内科
院長 奥本 穣(呼吸器専門医・総合内科専門医)