AEDにまつわる話
今回のテーマはAEDです。
近年は街中でAEDを見かける機会が増えてきました。そんなAEDにまつわる話です。
AEDは電気機器
AEDとはAutomated External Defibrillatorの略で、正式名称は「自動体外式除細動器」です。
簡単にいうと、心停止した人に対して電気ショックを与える機器です。
そう、その名の通り「AEDは電気機器」なのです。
まず電源を入れてください
なぜ僕が「AEDは電気機器」と強調するかというと、最初にAEDの電源ボタンを押すことを忘れて欲しくないからです。どの電気機器も使用する時にまず電源を入れますよね!
最近はフタを開けると自動的に電源が入るタイプのAEDが増えてきてはいます。しかし、まだ電源を押すタイプのAEDも見かけるため、是非この機会に「AEDを使うときはまず電源を入れる」ということを覚えて頂ければ嬉しいです。
たかが数秒、されど数秒
身体にパッドを貼り終わった後に、電源を入れているとAEDが起動し始めるまでの数秒を無駄にしてしまいます。
たかが数秒、されど数秒です!1分1秒を争う蘇生の現場では、その数秒も無駄にしたくありません。
電気ショックが1分遅れるごとに救命率が10%低下すると言われていることからも、その数秒の重要性がお分かりいただけるかと思います。
AEDは全員にショックするわけではない
次にお伝えしたいのが、「AEDはすべての人に電気ショックを与えるものでない」ということです。
よく誤解している方がおられますが、実は心停止には電気ショックが有効な心停止と無効な心停止があり、無効な心停止には電気ショックはおこなえません。
“ショックが効くか効かないか”は身体にパッドをつけたらAEDが自動で判断し、音声で伝えてくれるので安心してください。ショックが必要と判断されたら、周囲の安全を確認したうえでショックしてください。
なお、近年はショックボタンを押す必要のない「オートショックAED」という自動的にショックしてくれるタイプもあり、その場合はカウントダウンの音声が始まったら患者から離れましょう。
心肺蘇生の基本は胸骨圧迫!
ここで重要なことがあります。
それは、AEDでショックしたら終わりではなく、ただちに胸骨圧迫を再開するということです!
どうしてもショックが終わったら安心してしまいがちですので、注意してください。
またAEDにショックが不要と判断された場合も胸骨圧迫をただちに再開することも同時に覚えておいてください。
とにかく意識が戻るまでは胸骨圧迫が必要です。やはり心肺蘇生の基本は胸骨圧迫なのです!
ぜひ実技講習会を受けましょう
この記事をみて少しでも心肺蘇生に興味をもっていただけたらICLSインストラクター(わかりやすく言うと心肺蘇生の指導者)としてこれ以上の喜びはありません。
以前もお伝えしましたが、東広島消防署では一般の方を対象とした心肺蘇生やAEDの実技講習会が定期的に開催されています。今まで受けたことがない方も、かなり昔に受けたことがあるという方も受講することをお勧めします。
いま隣にいる大切な人が倒れたときに救えるのはあなたです!
ご興味がある方は東広島消防署のHPから申し込みができますのでご覧ください。
実技講習会の申し込みはこちら〉〉 応急手当講習会(東広島消防署)
AEDはどこに置いてある?
いざ考えてみるとAEDが実際にどこに置いてあるのか分からないという方も多いと思います。
そういった場合は「日本全国AEDマップ」というホームページがおススメです。
いざという時のために、ぜひ皆様もご自宅や職場の周りのAEDが置いてある場所を確認してみてください。
関連記事はこちら〉〉 目の前で人が倒れたら
『西条すこやか内科』は皆様に安心して通院していただけるよう、いざというときに備えてスタッフ全員で心肺蘇生のトレーニングもおこなう予定です!
西条すこやか内科
院長 奥本 穣(総合内科専門医・ICLSインストラクター・JMECCインストラクター)