漢方薬のよくあるギモン
“呼吸器の病気にも漢方薬が有効な場合がある”ということを以前の記事(漢方薬の使いどころ)でお伝えしました。
そこで今回は、患者様からよく受ける「漢方薬のよくあるギモン」にお答えしていきます。
なぜ漢方薬は「食前・食間」に飲むの?
お腹が空っぽの状態のほうが漢方薬の吸収が良くなり効果が発揮されるからです。ただし食後に内服しても大きく効果が落ちるわけではないので、食前に飲み忘れた場合は食後に内服していただいて問題ありません。
なお、漢方薬による副作用(吐き気や胃もたれなど)が強い場合は、吸収を抑えて副作用を軽くする目的で、“あえて食後”に飲んでいただくこともあります。
「食前・食間」って具体的にはいつ?
「食前」とは食事の30分前、「食間」とは食事2時間後のことです。
お湯に溶かして飲むと良く効くの?
お湯に漢方を溶かし、煎じ茶のように味や香りを感じながら飲まれる方がおられます。
もちろん、その飲み方でも全く問題ありません。
ただし、その飲み方をすることで漢方薬の効果が上がるわけではありません(一部のインターネット情報にはそのようなことが書かれていますが、根拠に乏しいです)。
お茶やジュースで飲んだらダメ?
漢方薬の吸収に影響が出て効果が落ちる可能性があるので、出来るだけ水あるいは白湯で飲むようにしてください。
西洋薬(一般的な薬)と一緒に飲んでいい?
基本的に問題ありません。
ただし、一部飲み合わせに注意が必要なケースがあるため、医師・薬剤師にご相談ください。
漢方薬は“西洋薬で足りない部分”を補ってくれる良い薬です。
漢方って副作用はないの?
西洋薬と比較した場合、一般的に副作用は少ないとされています。
しかし、偽アルドステロン症(高血圧、低カリウム血症による脱力感など)・間質性肺炎(発熱や乾いた咳)・肝機能障害などを起こすこともあるので、内服開始後に異常を感じたらすぐに医師に相談してください。
漢方の苦み・ザラザラ感が苦手です
漢方薬を先に口に入れるのではなく、「まず水あるいは白湯を口に含んでから、その水の上に漢方薬を落とすイメージで飲む」のがポイントです。そうすると、苦みやザラザラ感を感じにくくなります。
やっぱり苦すぎて飲めません!!
“良薬は口に苦し”とは言いますが、苦みが大嫌いな方やお子様ではどうしても飲めない場合があります。
そんなときは以下の方法をお試しください。
- オブラートで包んで飲む
- 市販の服薬ゼリーを使ってみる
- 濃いめのココアで飲む
- ヨーグルト・アイスに混ぜる(お子様でおススメ)
個人的にはココアで飲むのが最もおススメです。
ポイントは“濃いめ”であることです!
漢方独特の苦みや香りが和らいで、非常に飲みやすくなりますよ♪
今回は「漢方薬のよくあるギモン」をまとめました。
漢方薬は使い方次第では西洋薬だけでは足りない部分を補ってくれたり、ときには西洋薬以上の効果を発揮してくれることさえあります。
『西条すこやか内科』は西洋薬だけではなく、漢方薬も使用することで、患者様にとってベストな治療を常におこなえるよう心掛けて参ります。
関連記事はこちら〉〉 漢方薬の使いどころ
高血圧・糖尿病・脂質異常症などでお悩みの方は、東広島市西条町助実の内科・呼吸器内科・アレルギー科の『西条すこやか内科』までお気軽にご相談下さい。
西条すこやか内科
院長 奥本 穣(呼吸器専門医・総合内科専門医)