目の前で人が倒れたら
突然ですが急に目の前にいる人が倒れたらどうしますか?
今回は、いつか出会うかもしれないそういった時の対応についてお伝えします。
救命処置の現場にはマンパワーが必要
まずは意識の確認です。
もし意識がないようならとにかく大声を出し、たくさんの人を集めましょう。
そして、駆けつけた人に119番通報とAEDをお願いしてください。このときに「あなたは119番通報をお願いします!」「あなたはAEDを持ってきてください!」など直接相手を指名して依頼することが重要です。
そうしないと“きっと誰かがやってくれはず“という人間心理が働き、通報が遅れることがあるからです。
判断に迷ったらとにかく胸骨圧迫
まず、胸とおなかの動きをみて呼吸をしているか確認しましょう。
仮に「呼吸している?してない?」と迷った場合は、すぐに胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始することが重要です!焦った状況では冷静な判断ができないことも多いと思います。迷ったらとにかく胸骨圧迫を開始しましょう!!
もし心停止していなければ、胸骨圧迫の開始後に手や足が動きますので、そのときに中止すれば全く問題ありません。
「強く」「速く」「絶え間なく」
胸骨圧迫のポイントは「強く」「速く」「絶え間なく」です。
具体的には、胸が5~6cm沈む程度、1分間に100~120回のスピード、そして胸骨圧迫を出来るだけ中断しないことが大切です。胸骨圧迫をする部位は、“左右の乳頭の真ん中”と覚えていただくと忘れにくいと思います。
また、胸骨圧迫を体験したことがある方はお分かりだと思いますが、非常に体力を奪われますので適宜交代することも大切です。
なお、感染症が流行している現状では人工呼吸は躊躇される方が多いと思います。その場合、人工呼吸はやらなくても構いません。とにかく、意識が戻るか救急車が到着するまで胸骨圧迫を続けることが重要です。
「死戦期呼吸」をご存じですか?
そして僕からどうしても皆様にお伝えしたいことが1つあります!
それは「死戦期呼吸」についてです。
死戦期呼吸とは心停止直後にみられる“しゃくりあげるような不規則な呼吸”のことです。もし目の前の人が倒れて、意識がなく死戦期呼吸をしていたら、ただちに胸骨圧迫を開始してください!
“呼吸をしているから大丈夫”と思われがちなのですが、すでにこの呼吸をしている場合、心臓は止まっています。
1分1秒を争う場面だからこそ、早急な心肺蘇生の開始が求められますので、ぜひとも皆様に「死戦期呼吸」の存在を知っていただければと思います。
死戦期呼吸の映像
最後になりますが、言葉で説明しても分かりにくいと思いますので、ご興味のある方はぜひ下の動画をご覧ください。
実際に死戦期呼吸をしている方の映像であり、精神的にショックを受けられる可能性もありますので、納得された方のみ再生してください。
動画はこちら〉〉 死戦期呼吸の実際の映像
ぜひ実技講習会を受けましょう
東広島消防署では一般の方を対象とした心肺蘇生やAEDの実技講習会が定期的に開催されています。
以前受けたことがあるという方も、ぜひ数年ごとに受けることをお勧めします。
いま隣にいる大切な人が倒れたときに救えるのはあなたです。
そういった機会は一生に一度あるかないかとは思いますが、なにごとも“備えあれば憂いなし”です!
ご興味がある方は東広島消防署のHPから申し込みができますのでご覧ください。
実技講習会の申し込みはこちら〉〉 応急手当講習会(東広島消防署)
関連記事はこちら〉〉 AEDにまつわる話
東広島市西条町助実の『西条すこやか内科』は「東広島消防署のウラ」の建物の3階にあります。日々熱い情熱をもって診療しますので、今後とも宜しくお願いいたします!
西条すこやか内科
院長 奥本 穣(総合内科専門医・ICLSインストラクター・JMECCインストラクター)