「たばこ」と「タバコ」

『西条すこやか内科』は呼吸器クリニックとして肺がんの早期発見を目指しています。

肺がんは、すべてのがんの中で最も死亡者数の多い“がん”です。ご存じのように、肺がんの最大の原因はタバコです。タバコを吸うと肺がんのリスクが男性は5倍、女性は4倍に上がるとされています。肺がん予防として禁煙が重要となるため、当院は禁煙外来にも力を入れています。

そこで今回は「タバコ」に関する話題をお伝えしようと思います。

かつては国民の半数が喫煙者

諸説ありますが、タバコは西暦1600年前後にポルトガル人によって日本に持ち込まれたとする説が有力です。以後、タバコは嗜好品として急速に我が国に普及していきました。1966年当時の喫煙率は49.4%（男性の喫煙率はなんと83.7%）という調査結果が残っています。つまり当時は「国民の約半数が喫煙をしていた」と考えられます。

その後、タバコによる健康被害が報じられるようになり、徐々に喫煙率は減少します（2023年の調査では喫煙率は20.1%）。しかし喫煙率が減少しているといっても、現在も「5人に1人は喫煙中」というわけです。

禁煙に遅すぎるはない！

タバコが健康に与える影響は説明するまでもないかと思います。肺がんや脳梗塞・心筋梗塞・COPD（肺気腫）などのリスクが高まるだけでなく、近年では糖尿病や歯周病の原因にもなることが分かっています。そして何よりも、50歳で禁煙すると6年、60歳でも3年寿命を延ばすことができると言われています。つまり禁煙に遅すぎるは決してありません！

受動喫煙も大きな問題

また、他者のタバコの煙を吸う「受動喫煙」も肺がんのリスクを高めることが以前から指摘されていました。その中で、国立がん研究センターなどのグループから「受動喫煙をしていた患者の肺がんは、受動喫煙をしていなかった患者の肺がんよりも遺伝子変異が1.12倍多かった」という研究報告が先日発表されました。つまり、禁煙は本人だけではなく、周囲のご家族などの健康被害も防ぐ効果があることが遺伝子レベルでも明らかになったのです。

禁煙外来の禁煙成功率は約8割

禁煙治療には苦しいイメージをお持ちかもしれません。しかし、禁煙補助薬の助けを借りることで比較的楽に、そして高い確率で禁煙することが可能です。禁煙外来を利用した際の禁煙成功率は7～8割とされています。禁煙しようと思い立ったら、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。

「たばこ」と「タバコ」の違い

ここで突然ですが、皆様は「たばこ」と「タバコ」の違いをご存じでしょうか？

この“違い”は意識したことのない方が大半かもしれません。

では、平仮名表記の「たばこ」とカタカナ表記の「タバコ」の違いとはいったい何でしょうか。上述のように、タバコは外来語であるため、本来は「タバコ」とカタカナ表記されるべきと考えられます。しかし、「たばこ」という表記も頻繁に目にします。

皆様は「たばこ」という平仮名表記に“親しみやすい”印象を受けませんか？

それが「たばこ」と「タバコ」の違いです！

賛成派は「たばこ」

つまり、「タバコ」を「たばこ」と表記することで親しみやすく、害の少ない印象を我々に与えることができます。そのため、タバコを積極的に売ろうとする立場は「たばこ」と表記します。

例えば、JT（日本たばこ産業株式会社）のホームページは全て「たばこ」と表記されています。また、街中でよく見かけるコンビニの看板も「たばこ・酒・ATM」です。

反対派は「タバコ」

一方、日本禁煙学会・日本肺癌学会・日本呼吸器学会といったタバコに消極的な立場は「タバコ」と表記することが大半です。僕自身も呼吸器専門医として少しでも喫煙率を下げたいと考えているため、当院のホームページでは「タバコ」という表記で統一しています。

「たばこ」と「タバコ」の違いをご理解いただけたでしょうか。今後は是非とも「たばこ」と「タバコ」を使い分けていただければと思います。

『西条すこやか内科』は呼吸器クリニックとして、禁煙外来・肺がんの早期発見に力を入れております。禁煙しようと思い立ったら、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。また当院は、肺がんの発見率がレントゲンの10倍とも言われるCTを院内に完備しております。健診で胸部レントゲン異常を指摘された場合も、当院では即日検査・結果説明が可能ですので、お気軽にお越しください。

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長引く咳・息切れ・喘息などでお悩みの方は、東広島市西条町助実の呼吸器専門クリニック『西条すこやか内科』までお気軽にご相談ください。

西条すこやか内科
院長　奥本　穣（呼吸器専門医・総合内科専門医）