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「当直」って何をするの?

「西条すこやか内科」院長の奥本穣の送別会の写真
素敵な花束をいただきました!

今回は、好評だった皆様から寄せられた医師に対するギモンにお答えする企画の第2弾です。

私事ですが、本日が勤務先の病院での最終勤務でした。つまり”勤務医”として働く最後の日となります。

そこで第2弾のテーマは、勤務医として欠かせない業務である「当直」についてです。

当直・日直・日当直とは

「当直」とは、夕方から翌朝まで病院内に寝泊まりして、救急受診や入院患者様の急変などに対応する業務のことです。平日の場合、当直当日は通常通りに朝から勤務し、翌日も夕方まで働くケースが多いので、30時間以上を病院内で過ごすことになる少し負担の大きい業務です。

また、「日直」というものもあり、土日や祝日の日中の時間帯の救急受診や入院患者様の急変などに対応します。さらには、「日当直」という日直+当直をこなす“合わせ技”のような勤務がある病院も少なくありません。

当直では医師はどのような生活をしているのか気になる方もおられるようです。

そこで、今回は”当直の際の生活”を中心にお伝えします。

当直時の食事

病院によっては、当直の夜と翌朝に「検食」が出ることがあります。

検食とは、入院中の患者様に提供する病院食の安全を確認するための試食の事です。

患者様と同じ食事メニューを当直医が食べ、味などに問題がないことを確認するのです。そのため、食後には“検食簿”というものに量や味付けの評価を記入する必要があります。病院食ですので、基本的に味付けは薄めで、胃腸に優しいメニューのことが多いです。やや量が少ないことが多いのですが、通常メニューに1~2品を足してくださる病院もあります。なお、検食がない病院では、弁当を持参したり院内のコンビニあるいは出前で調達します。

食事メニュー選びも意外と重要です。麺類などは食べる直前に呼び出しがかかると“悲劇”が起きるため、基本的には冷めても美味しく食べられるメニューを僕は食べていました。

当直室ってどんな感じ?

急患や病棟の呼び出しがない時間は、当直室で過ごします。

当直室はビジネスホテルのような作りのことが多く、基本的にテレビやベッド・洗面台が備え付けられています。トイレ・浴室は病院によって様々で、当直室内にある病院もあれば、当直室の外にある病院もあります。本棚や机の引き出しには、代々受け継がれている古い漫画や雑誌などが置いてあることが多く、”時代の流れ”を感じることも多々ありました。

当直業務について

これは病院によって全く違います。

急患や救急車を積極的に受け入れる救急病院の当直は非常に忙しく、寝る暇もないことがよくあります。一方、療養型病院の当直は、入院患者様の急変対応などが中心となるため、比較的ゆっくり過ごすことができることが多いです。

救急車が来た場合は、まずは当直医が初期対応をして画像検査などから病気を診断します。

脳出血や吐血といった緊急性が高い病気の場合は、夜間であっても専門の診療科の医師に相談します。僕は呼吸器内科医なので、肺炎や気胸の患者様が来院するたびに当直医から相談の電話がかかってきました。各診療科の医師は“持ちつ持たれつ”といった面も大きいため、みんなで協力しながら診療しています。

やはり「完封」は難しい

救急病院の当直では、当直室で寝ていてもPHSの音が聞こえた気がして、パッと目覚めることがあります。しかし、PHSを確認しても着信履歴は残っておらず、“幻聴”であったと考えられます。冗談のような話ですが、このような体験をしたことのある医師は多いのではないでしょうか。そのような気が張った状態で一夜を過ごすため、当直翌日は体が少し重く感じます。

ごくまれに、救急車が1台も来ない当直があり、我々はその場合を「完封」と表現することがあります。野球と一緒で、「完封」の難易度は高く、忙しい救急病院の当直で救急車が1台もこないことは滅多にありませんでした。

月に何回くらい当直するの?

ひと月に2~4回程度当直をする病院が多いです。ただし、当直以外にも、いわゆる“待機“の日もあるため、医師にはある程度の体力が必要です。

以前の記事(呉医療センターでの3年間)でもお伝えしましたが、呉医療センター時代の”24時間365日待機”の2年間は身体的にも精神的にもハードだったことを思い出します(もちろんそのお陰で医師として大きく成長することが出来たので、大変感謝しております)。

当直は成長の場

福島ではドクターヘリに何度も乗りました!

当直は、自分の専門とする診療科以外の病気も色々と経験することができる“成長の場”でもあります。普段の日常に“刺激”を与えてくれるため、僕は以前から救急が好きでした。

福島県の「ふたば医療センター」に出向した際は、3ヶ月間ひたすら救急症例を診る日々だったため、とても刺激的な毎日を過ごすことができました。医師となって10年以上経った段階での本格的な救急業務は、これまで学んできた知識の整理をする良い機会となりました。

『西条すこやか内科』では、これまでの経験を最大限生かし、幅広い内科の病気を誠心誠意診療していきます。

開院前研修を行っています

AEDのトレーニングの様子

当院では、4月1日(月)の開院に向け、現在スタッフ研修を行っております。

良い雰囲気で研修が進んでおり、日に日にチームワークが高まっていることを実感しております。

先日はスタッフ全員で胸骨圧迫(心臓マッサージ)やAEDのトレーニングを実施しました。当院は皆様に安心して通院していただけるように、院内にAEDを設置しております。いざというときに備え、今後も心肺蘇生のトレーニングを継続的に行っていく予定です。

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東広島市西条町助実の内科・呼吸器内科・アレルギー科の『西条すこやか内科』は、いつまでもイキイキと全力投球で診療に臨みます!今後とも宜しくお願いいたします!

西条すこやか内科 
院長 奥本 穣(呼吸器専門医・総合内科専門医)